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子供たちと一緒に地域探検!

 学校支援ボランティアで先日、両小野小学校3年生の5人と「上道探検」をした。地元の主要市道・旧三州街道沿いなどにある史跡や旧跡、仕事場等の7ヵ所を訪ね歩いた。
 同ボランティアは4年目。地元の史談会に加入する縁で子供たちに地域の歴史的な遺産について紹介、説明をしている。小学校3年生だと、まだ歴史そのものの知識がないので、対象物の歴史的な意義よりも、形や大きさ、そこにある意味など分かり易い説明に心掛けでいる。それでも毎年、そのグループによって個性や行動パターンが大分異なるので、彼らのペースを崩さないようにサポート。その性格の違いに出会うのも、こちらとしては楽しみの一つである。
 今回は子供たちが希望した畳店や馬頭観音、古田晁記念館、自動車整備工場、洋品店、寺子屋、大清水の7カ所へ。この中で、子供たちが最も興味を示したのは同整備工場。最も身近にあり、普段は見られない車の裏側や板金塗装の様子、ダッシュボードがなく配線だらけの内装の状態に興味津々。5人とも黙ったまま、絵日記風の記録用紙に鉛筆を走らせていた。
(写真: 自動車整備工場「JFエイラク」で整備士から説明を聞く子供たち)

中間教室を訪問

 6月に入ってから、不登校の中学生が通う塩尻市内の中間教室を訪ねた。昼休みの時間に訪問したが、6人の生徒たちは不登校とは思えないほど活発な様子。突然の訪問者である私のことを格好の話題のネタにしていた。まさか、こんなに子供たちが元気なんて…。のっけからして同教室の第一印象がいい意味で裏切られた。
 帰り際も、小さな職員室に入って皆で談笑しており、どこにでもいる思春期の中学生と全く変わらない賑やかさだ。ただ、その笑顔の裏には本来通うべき中学校に行けない心の悩みがあるのだろう。思春期だと、その悩む気持ちを的確に言葉にできない。不登校の背景にある原因は様々であるから、指導教諭はその原因究明から解決の糸口を探るよりも、子供たちの自然体のやる気を尊重するようにしているようだ。
 「ここに来る子供のほとんどは立ち直ります。問題はここにも通えない子供たちです」と同教諭。「不登校でない普通の子供が社会人になって突然、引き籠ることもある。根本的に教育の本質を見直す必要があるでしょうね」。
 国内引き籠り100万人の課題解決は果たしてどうしたら…。

小中一貫教育がスタート!

 両小野学園(愛称)の開園式が7日、両小野小学校であった。両小野中も含めて9年間の小中一貫教育が本格的な幕開け。小中学校クラブの合同合奏や全児童生徒による合唱などで、そのスタートを祝った。
 この一貫教育の最大の特徴は住民サイドの提言により始まったこと。県内では唯一であり、全国的にも教育委員会等の行政主導がほとんどの中で、相当珍しいはずだ。そもそもは5年前、組合教育委員会の提案を受け、両小野地区振興会が主体となって住民説明に当たった。これを踏まえ、2年前から教育現場で検討委員会が組織され、具体的なカリキュラムや交流事業の研究を重ねていた。
 今思えば一番のポイントは、組合教育委員会に民間人が入って経営の視点が持ち込まれ、組織が活性化したこと。従来のように、校長経験者や区長会元出身者だったら、そんな発想も出なかったと思う。要は行政任せにしてまうと、改革はなかなか進まないことも明らかになったと思う。
 開園式では、小学校長が一貫教育の概略を説明。小1と小4、中1がクラスを組む等の「兄弟学級」も紹介された。塩尻市長や辰野町長が祝辞を述べたほか、小中学校の児童生徒代表も新たな教育の展開に期待を込めた。この後、合同合奏として「ふるさと」や「虹」を発表。また、全校児童生徒が歌「この星に生まれて」を元気よく披露した。最後に、児童会と生徒会の初の合同事業として大震災の義援金を集める取り組みに理解を求めた。



(写真説明:両小野学園の開園式で「この星に生まれて」を一緒に歌う小中学生) 

小中一貫教育の決議案を採択

 小中一貫教育の推進に関する決議案が29日、塩尻市辰野町中学校組合、辰野町塩尻市小学校組合の両議会で採択された。議員提出による決議案の採択は両議会で初めてのこと。両小野小学校、中学校で今年4月から本格的に導入される小中一貫教育を後押しするもので、最後の課題でもある学校組合事務局の統合を求めた。
 一般の人にはちょっとよく分からないかもしれない。どうして組合議会が2つもあるのか。たぶん組合立の学校という認識は地元の人たちにもあると思う。両小野小学校は辰野町の、両小野中学校は塩尻市のそれぞれ事務局が主体となって管轄。さらに、小学校組合と中学校組合の2つの教育委員会があるから、ややこしくなってしまう。
 そもそも、小中一貫教育の構想が持ち上がったのが5年前。両小野地区振興会が中心となって住民サイドから提案した。これに基づき、教育現場でも2年間の検討を重ねながら取り組み、今年4月からは本格的な導入となった。小中の9年間を見通した学習カリキュラムや地域を題材とした地元学習「たのめ科」の設置など特色ある教育活動を展開していく。
 県内でも小中一貫教育を導入しているのはまだ少ない。上田市菅平の小中学校に続いて2例目。住民側の提案に基づくものは全国的にもほとんどないはずだ。どんなメリットがあるのか、分かりにくいだろうが、中学校入学後の環境不適応から急増しやすいとされる不登校等の「中1ギャップ」の解消には効果的とされる。小6段階から教科担任制に慣れるため20日程度、中学校での授業も受けるようになる。
 別の観点からみると、少子高齢化の進む両小野地区にとっては、子どもの数の激減によって将来、学校がなくなる可能性がある。これを避けるためにも、新たな教育システムの導入が必要だった。もっと言えば、地域にとって心の拠り所でもある学校を存続させることは、憑の里の大きな生き残り策でもあるのだ。