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「最近の首長は〇〇〇だ!」

「最近の首長には、将来を展望するダイナミズムがない」。
「まるで、その公職に就くことだけに、安住しているかのようだ!」。
 6月7日、長野県南信地方の元首長と懇談する機会に恵まれた。彼は20年以上前に若くして首長を務め、当時は地方のニューリーダーとして注目を集めた人物。今でも冬季スポーツ団体の役員として競技の振興発展に心血を注ぐ。
 20年前と云えば、長野県は冬季五輪の開催が決定し、「バブル経済」崩壊後も五輪施設や道路の建設等で公共事業が他県に比べて堅調な時期。また、五輪施設が北信地方に偏っていたため、中南信地方との「南北格差」問題が浮上。地方のミニ博覧会ブームもあり、中信地方の松本市で「信州博」が開催された時期でもあった。
 当時から現代を俯瞰してみると、バブル経済の余波による地方のリゾート開発が次々と頓挫。関係する大型プロジェクトの都市開発も中止を余儀なくされた。長野県内は長野五輪の開催準備とその成功へ意識が移っていた一方で、リゾート開発や大規模事業に伴う行政の負債はそれほど重荷にならなかった。ただ、長野県は五輪関連の公共事業ラッシュにより表向きは社会資本が充実したようにみえるが、県都の長野市を除き、結果として中南信地方の「南北格差」は残されたままだ。
 そのことは隣接の山梨、岐阜両県のそれを見れば一目瞭然。例えば、道路網の充実は両県の方が格段に上。現在、長野県は「観光立県」の旗振りをするが、すでに上高地は飛騨高山の観光ルートに組み込まれ、実質的に岐阜県化。同じく八ヶ岳周辺も山梨県は北杜市のみが山麓の一部に入るだけながら、八ヶ岳高原リゾートのイメージは山梨県が先行中だ。これはハードの社会資本だけでなく、ソフトのおもてなしサービスにおいても、長野県の対応が遅れており後塵を拝する一因でもあるのだが…。
 さて、元首長の話である。何も県行政の対応の遅れだけで現況の停滞を招いたのでない。「地元の自治体首長がやるべきことをやらなかった」というのが彼の弁だ。熱しやすく冷めやすい、また内向きで現状維持を旨とする県民性があるのも確かだ。ただ「将来のために、首長が一部の反対を恐れて真に必要なことをしないと、他県との都市間競争には絶対に勝てない」とその考え方は明確だ。ある湖を抱える某市を見てみると、鉄道複線化も国道バイパスもデッドロックな状態。自然豊かな高原や湯量豊富な温泉、お盆の盛大な花火大会など多くの観光資源を抱えながら、果たして将来、その資源を最大限に生かし切ることができるのだろうか…。
 「爽やか信州」は現在、行ってみたい住んでみたい都道府県ランキングの上位として常連ながら、外部からの評価に対して県内では冷めた見方も多い。だが、そんなイメージが高いうちに、必要不可欠な施策を講じておかないと、そのランキングでも岐阜県や山梨県の後塵を拝するのは近いのかもしれない。



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