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さすがは菅谷市長!-松本市長会見より

 菅谷松本市長が4月14日に開いた定例記者会見の内容がとても秀逸で豊かな見識なのでここで紹介したい。 中でも同市長が分析した県議選をはじめ、選挙に関する部分を取り上げる(リンク先は下記に=動画もあり)。

 『今回、松本地区の皆さんもお書きになっていますが、若い方々が「誰がなっても変わらないよ」とずっと言われていることですよね。特に身近な所の選挙だったらあれだけれども、県とか国になると、今回も政令市の市長とか、知事もそうですが、変わらないですよね。』

 『もともと日本国民は革命とかができる国民ではなく、「まあまあ」という形でやってきているという日本の国民性があるのかもしれません。レボリューションみたいに、変えていこうということが起こらない国であるのだけれども。それでも何とかしていかなくてはいけない、本当に考えていかないと、危機感を感じてもらわなくてはいけないと思います。こんなことは誰でも言っていることですが、そう思います。』

 『そうは言うものの松本の場合には、選挙戦の前に皆さん方の記事を読ませてもらっても、百瀬さんがトップ当選をするとはどこも書いてなかったし、予想がつかなかったですよね。特に今回、百瀬さんはお金もかけなかったと思いますし。まじめな方で、お話をすることが何回もあるのですけれども、今回の場合だったら議会、県議会の改革をしなくてはいけないとずっと一筋に訴えて、なおかつ辻立ちだけでやられていました。今回のトップ当選を分析してみれば、たぶん投票行動を起こした人たちというのは「変えていかなくてはいけない」と意識している人たち、そういう考えの人たちはいることはいるのだけれども、もっと多くなっていかなくてはいけない。そのためには、若い世代の新しい考えを持った方々が、もっと選挙に議員として立候補できるような形をつくっていかないと、なかなか今後大変ですよね。そう私は思いました。』

【記者】
 県議選の百瀬さんの話もありましたが、近隣の塩尻や安曇野で40歳の人が当選して、若者の躍進が目立ったと考えられますが、その点でお考えをお聞きしたいのですが。

【市長】
 『よかったのではないですか。そういう若い方々が、新しい考えのもとで、いろいろ議員として活動するという点が、よかったのではないですかね。
 例えば、そういう意味で言われてしまうと難しいのですが、投票の「票」を得るためにどういうようになっているか。そういうことを言ってはいけませんが、例えば塩尻のある候補者の場合は、その前の議員さんの票をもらっていると書いてありました。そういうことで変わるかというのは疑問ですね。百瀬さんのように、そうではないわけですよね。そういうのって、自分がもらった票のバック、背景によって違うと思います。自分の主張に市民の皆さんが入れようというのと、当選しなくてはいけないから、どうしても前の人の票の庇護のもとでというか。そうなると、はたして若い世代とはいうものの、変えていくことができるかというのは気になるところですよね。若い世代が出てくるというのは、とてもよいことだと思いますね。』

【記者】
 よいというのは、どういう点でよいのでしょうか。

【市長】
 『そういう人たちが改善していくためには、従来の旧弊というか、例えば「こういうことを変えていこうではないか」「県議会の改革」と言っているわけですから。そういうことにより近づいていくためには、若い世代がいいのではないかということは、一つあります。若い人たちは、発想が従来と違っているところがあるから、そういうことをどんどん出してもらうのは、ありがたいと思います。』

 個人的には、記者の最初の質問に答えた部分が特に秀逸だと思うのですが、皆さんは如何でしょうか…。

松本市長会見2015年4月14日

かくして県議選は-投票結果に思う

 統一地方選前半戦の長野県議選は12日、投開票があり、結果が判明。投票率は48・92%で、前回よりも5・27㌽低下し、初めて50%を下回り戦後最低を更新。全体の当選者数からすると、低投票率を反映して、共産・公明以外の政党には厳しい結果となった。選挙区別にみると、新聞の事前情勢を覆す結果もあり、やはり選挙は蓋を開けるまで分からないことも実感。個人的に注目した選挙区を取り上げてみたい。
 最も注目していたのは‘因縁の対決’もあった上伊那郡区(定数2)。県紙の情勢報道を覆し、元辰野町長で自民の現職・垣内基良氏(65)がトップの12,143票で4選。次いで共産の現職・小林伸陽氏(71)が11,187票で5選。前町長の新人・矢ケ崎克彦氏(72)は1万票に乗せたものの、あと一歩及ばす1,133票差の10,054票で次点に泣いた。民主の新人・寺平秀行氏(40)は5,848票で及ばなかった。
 同区で一番驚いたのは、県紙の情勢報道で3位付された垣内氏が見事に巻き返してトップ当選を果たしたこと。告示前の矢ケ崎陣営の活動は激しく、辰野町と箕輪町で内容の違うビラを配布、地元紙や知事後援会報を巧みに使って垣内氏を仮想敵にした戦術には舌を巻いた。内閣官房参与の飯島勲氏(辰野町出身)まで動員、親知事派の「県民党」の立場を鮮明にして選挙戦も戦った。一方、垣内氏は「相手の土俵には乗らない」としてネガティブな言論は封印。自民党県連幹部の立場や、県と上伊那には本当に誰が必要なのか問う選挙だとして、後援会組織を引き締めつつ、保守層だけに留まらない選挙戦を展開した。なお、保守層の中には業界の寡占化を警戒する事業体もあり、丸抱えな動きをする企業に反発する関係者は垣内氏の支援に回ったようだ。
 塩尻市と東側で隣接する岡谷市・下諏訪町区(同2)。こちらは共産の元職・毛利栄子氏(63)が3選、無所属で公明推薦の新人・浜章吉氏(67)が初当選。自民現職と民主等推薦の新人が涙を飲んだ。塩尻市区(同2)は自公推薦の新人・丸山大輔氏(40)と共産の元職・備前光正氏(52)がそれぞれ初当選と3選だった。
 峠を挟んで塩尻市と隣接する上伊那郡と岡谷市。どちらも似ているようで、その様相が全く異なる政治風土は誠に興味深い。保守対革新のイデオロギー対決は既に今は昔のことであるが、投票率が低くなると、再びその基層が浮上し、保守分裂の中で思い掛けない結果となるのが最近の傾向なのだろうか。

県議選、自民伸ばせず「16」 共産2増8議席、維新初議席 (信濃毎日新聞1面より)

県議候補者の回答は?-信州Fパワーについて

長野県議選は11日、選挙戦の最終日を迎えた。塩尻市区(定数2)に立候補した4氏は最後の訴えに声をからした。昨日には県が主導する信州Fパワープロジェクトのうち、大型木材加工施設が同市片丘に完成、事業主体の企業が現地で竣工式をしたばかり。同プロジェクトについては先月30日、各陣営にブログで紹介した「信州Fパワー 未だ迷走中!」の記事コピー添付し、この事業に対する考え方の質問書を手渡していた。本日11日までに4陣営の回答が出揃ったので届け出順に紹介したい。
 先月に続木幹夫氏には直接、文書を渡していた。11日に3回、選対事務所に電話問い合わせしたものの、選対役員との行き違いもあったが、結局、「本人との連絡が取れない」として何ら回答がなかった。
 青柳充茂氏は電話で回答を寄せ、「細部をみると色んな問題があり、しっかりと検討すべき点はそうしなければいけない」と答えた。
 備前光正氏はファクスで文書回答し、「県林業資源の活用と再エネの普及・拡大から注目すべき事業。1万kwの発電出力は林業者や専門家から疑問も。規模が適正か検討の必要がある」とした。
 丸山大輔氏の事務所で先月末に文書を受け取り、「検討したい」としていた落合事務長。本日の電話問い合わせに対し、同事務長は「忙しくてそこ(回答)まで手が回らない」と述べた。
 告示4日前のお願いであったが、各陣営ともその対応はまちまちであった。
 12日はいよいよ県議選の投票日。有権者の皆さん、どうぞ忘れずに投票致しましょう。

塩尻市区(定数2)に立候補した4氏。12日の投開票の結果は果たして…。

 


勝敗は如何に!?-新聞選挙情勢の読み方

 統一地方選前半の長野県議選は終盤戦を迎えた。全国紙や県紙、地域紙は取材班等を組み連日、選挙戦の様子を伝えている。地域紙はまだ県議選の情勢報道がないものの、8日付で掲載された県紙・信濃毎日新聞の選挙区情勢について、取り上げてみたい。
 同紙は8日付で1面トップのほか、6、7面に情勢詳報、31面に関連記事、さらに地域面で候補者の動向を伝えた。このうち、見開きの6、7面で取り上げた県議選16区の情勢を考察する。1面アタマでは「県議選 2人当選圏入り 11人優勢 激戦の選挙区も」と伝えた。
 紙面のヘソに16選挙区の立候補者を図示したほか、都市部で定数の多い長野市区(定数10-立候補者15)を右に、松本市区(同6-同8)を左に配置。それぞれの上、記事のアタマの部分に佐久市・北佐久郡区(4-6)と飯田市区(3-5)を、全体的には6面に東北信、7面に中南信の関係でまとめている。同紙編集応答室によると、各区の情勢記事はリード部分がその分析で、本文は届け出順に候補者の動向を掲載、文字数も同等として平等公平に配慮したという。ただ面白いのは、そのことは問い合わせたから分かっただけで、各区の記事を読むと「届け出順に」の明記が記事内にあったりなかったり、必ずしもその方針が徹底されていない点も。かつての大胆さよりも「平等」な報道に苦慮する姿勢が垣間見えた。
 同紙が調査報道である選挙情勢について、どこの選挙区に注目し、いかに見せようとしたのか。紙面割り付けのセオリーに従いながらも、紙面の位置で関心を寄せる注目選挙区がどこか分かる。それはずばり、カタの位置にある選挙区だろう。千曲市・埴科郡区(2-3)と上伊那郡区(2-4)の2つ。このうち、最も注目するのは後者であろう。なぜならば、見出しで「しのぎ削る現新3氏 追う1氏 郡南部浸透が鍵」としながらも、リードではそれとは違ってその順位付けを明確にしているからだ。投票結果によっては、ある候補の当選を足掛かりに、次期国政選挙の台風の目となりそうな人物も取りざたされていることも影響しているのであろう。

「しのぎ削る現新3氏」とする上伊那郡区の投票結果は如何に!?(4月8日付信濃毎日新聞)


この選挙区が熱い!-上伊那郡区

 長野県議選が3日、告示となった。26のうち16選挙区で9日間の選挙戦に突入。中でも上伊那郡区(定数2)には4人が立候補、辰野町の元町長と前町長が告示前から‘因縁の対決’の様相を呈して激戦を展開している。
 同区に立候補したのは届け出順に、寺平秀行氏(40)=民主・新、矢ケ崎克彦氏(72)=無所属・新、小林伸陽氏(71)=共産・現④、垣内基義氏(65)=自民・現③の4人。垣内氏は辰野元町長で1期4年を務めたが、2期目に4期16年を在任した同前町長の矢ケ崎氏に町長選で敗れた。これにより垣内氏は県議選に回った形だ。矢ケ崎氏は一昨年の町長選を前に、一旦政界引退を表明したものの、反垣内派による支援者から復帰を促されて県議選への出馬を決断した。
 同区は典型的な地域分断型の選挙区で、真ん中に伊那市と駒ケ根市を挟んで、北部の辰野町と箕輪町、南箕輪村、南部の宮田村や飯島町、中川村に分かれている。有権者数は北部と南部が2対1の割合だ。しかも寺平氏と小林氏は共に箕輪町の在住。北部に4人が集中しているため、選挙戦の激しさに輪を掛けている。
 保守分裂の様相も呈して告示前は、一方の陣営が新聞コピーや知事後援会報を巧みに使った事前チラシを大量配布するなど激しい前哨戦を展開。それに呼応して小林氏が徹底的に地盤固めに入ったほか、前回の減税日本から民主公認となった寺平氏も追い上げるなど、‘北部戦争’は年明けからヒートアップするばかりだった。
 統一地方選の低投票率が予想される中、冷静に候補者を判断するであろう上伊那郡内の有権者は関係者の過熱を余所に、4月12日の投票日には県議2人に誰を選択するのだろうか…。

塩尻市南部で隣接する県議選・上伊那郡区の選挙戦が過熱気味

「自らの考えで投票を」公開討論会を傍聴

 「政治に関心を、自らの考えで投票を!」。長野県議選塩尻市区(定数2)の公開討論会(塩尻青年会議所主催)が30日夜、同市内であり、傍聴した。同市区に立候補を予定する備前光正氏や続木幹夫氏、青柳充茂氏、丸山大輔氏(主催者抽選順)の4人が登壇。立候補の動機をはじめ、地域産業政策や人口減少対策、子育て支援策等の5つのテーマに渡って、各自が訴える政策や塩尻の未来構想を発表した。
 ここでは従来から取材活動等の課題にしてきた、木材加工施設とバイオマス発電による信州Fパワープロジェクトに対する4候補者の見方をピックアップ。備前氏は「太陽光やFパワーは小規模分散型がいい。自然再生エネルギーの先進県として体制を確立すべき」。続木氏は「Fパワーは県全体の林業再生になり、軌道に乗せて成功すれば再生エネルギーのブランドになる」。青柳氏は「Fパワーは収益の確保策であり、自治体でもできる。民間が行う今の形には工夫が必要だ」。丸山氏は「(地域再生として)思い切ったことが必要であり、Fパワーは一つの突破口になり得るものだ」。それぞれ観点が違うものの、県が主導して市も参画する同プロジェクトへの見解を述べた。県議選告示日が4日後の4月3日に控えた時期でもあり、ここでは個別の論評をしないものとする。
 なお、同日、各立候補予定者の事務所を回り、このブログで紹介した「信州Fパワー 未だ迷走中!」の記事を添付した「意見聴収と回答のお願い」を配布。4人の回答が出揃った段階で、当ブログで紹介していきたい。

「政治に関心を持ち自らの考えで投票しよう」と呼びかける公開討論会の案内チラシ