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統一地方選が終了-どうなる地方自治

 2015年の統一地方選が26日の投開票で全て終わった。候補者にとって昨日は、悲喜こもごもの長い一日だったことだろう。新聞には平成生まれの議員誕生を喜ぶ一方、各地で投票率が過去最低を記録したことや当選議員が高齢化する現状等を憂えている。国政ばかりでなく身近な行政も遠い存在になっていくのか。地方経済の低迷も反映して、長野県内では農業や自営業の議員が減っていくのも気になるところだ。
 率直に申し上げれば、地方自治は益々硬直化していくのではなかろうか。それは当選議員に公務員出身者が増えているのにみてとれる。塩尻市議選の場合、初当選した新人5人のうち4人が元公務員。以前は全体の奉仕者だった人々が特定の支援者らの奉仕者になる。行政の裏も表もに通じた人々が増えると、議会の透明性よりも密室性が強まるのではないか、そんな危惧も感じざるを得ない。為政者側と巧みに一体化すれば、市民要望に対しても選別が進み、市民の声なき声が届きにくくなる懸念もないわけではない。
 それでも、統一地方選の後半戦が終わったばかり。新たに有権者の負託を受けて当選した議員の皆様方には、市民からよりよく選ばれた選良であるので、地方自治全般を今一度よく見渡した上で、主張した公約通りのまちづくりに邁進してほしいものである。
 なお、以前のブログで紹介した「ムラ選挙の実態」の結果は1勝1敗。蓋を開けるまで分からない選挙戦の難しさでもあり、全てに思惑通りに行かない政治の一断面とも云えるのでしょうか…。

長野県内市町村選 投票率最低55.85%

こんな候補は要注意!-投票への視点

 あす26日は統一地方選後半の投票日である。その前日の25日は選挙戦の最終日でもあり、立候補者は最後の訴えに声をからす。投票日を前に、議員選挙について見落としてはならない視点を述べてみたい。塩尻市は市議会議員選挙でもあるので、それも例証する。
 基本的に議会は、首長との関係性から二元代表制の一方の議決機関である。首長が提出する予算や決算、条例等を審議し、議決する。ここから、行政のチェック機能と市民代表たるバランス感覚が要諦になる所以だ。行政に比べ議会事務局スタッフが著しく少ないこともあり、議員提出の議案が 殆どないのが通例。また、行政の政策決定プロセスが不透明であるため、候補者による「これをやりました」「あれもやりました」が選挙戦で横行する。だから、現職候補の場合、その実績には十分に懐疑する必要がある。
 塩尻市議選の選挙公報をみると、「地方創生」や「子育て支援」「産業振興」「地域づくり」等のキーワードが並ぶ。それらを基に、方向性を示すが、具体的な提案の明示はない。昨年の12月定例会で議決した議員報酬の増額や政務活動費の廃止、議員定数の減員に対し、誰一人として言及していない。いずれも市長提案に基づくため、自らの事案ながら消極的な態度が垣間見える。多くの遊説車から「皆さんの声を市政に届けます」との呼びかけが響く。本当にそうなのか、市長と対峙してもその姿勢を貫けるのか。その信念と矜持を持つ候補者を見極めて、26日は清き一票を投ずべきだろう。

選挙公報裏面にある投票呼びかけのコピー。それには何よりも候補者の見極めが肝心だ


統一地方選の後半戦は如何に!

 長野県内でも19日、統一地方選の後半戦が始まった。諏訪市長選は新人の女性(56)が無投票で初当選。茅野市長選は2期目の現職(61)と新人(60)の一騎打ち。松本、岡谷、諏訪、塩尻の6市議選は選挙戦に。駒ケ根は定数と同じ立候補者により無投票で15人の当選が決まった。「地方創生」や「人口減少」が地方自治の政治課題に浮上する中、選挙戦の低調ぶりは否めない。
 20日付の信濃毎日新聞には、‘社物’の「長野マラソン特集」が全紙サイズで本紙を覆っていたものの、1面トップは「諏訪市長に金子氏 県内初の女性市長 24年ぶり無投票当選」。2面には「転機の諏訪 課題山積」の解説記事。一方、その肩には「7市議選 女性候補者比率が低下」の分析記事。全体の立候補者数に占める女性の割合は15・1%。前回の17・8%から2・7㌽下回った。女性比率は1971年以降、上昇していたが、減少に転じたことを報じている。
 前半の県議選諏訪市区(定数1)から見通すと、こちらには3氏が立候補。1氏は前回の同市長選に出馬しながら、県議選に鞍替え、市長選の一騎打ちを避けた格好。一時、地方紙経営者の名前も取り沙汰されたが、立候補には至らなかった。いずれも、金子氏の地盤の強さに対抗できないとの判断だろう。諏訪湖周の元首長によれば、「諏訪地方を良くするのも悪くするのも諏訪市のリーダーシップだ」とする。広域的課題の国道20号バイパス、JR中央東線高速化、6市町村合併はいずれもその政治手腕が左右してきたとの認識だ。さて、県内初の女性市長は今後、どんな手腕を発揮するのか…。
 一方、塩尻市議選はどうか。県紙地域面には「市政チェック機能果たして」、地域紙には「低い関心 訴え工夫 人口対策 大きな課題に」の見出しが躍る。首長と議会の二元代表制のあり方をはじめ、議会のチェック&バランス、昨年12月定例会で議決した議員報酬の増額と政務活動費の廃止等。本質的な論戦が十分になされるのか。端的に云えば、市長に対するスタンスとその信念を見極める必要がある。誰のための市政なのか、有権者ひとり一人の政治的な眼力が試される選挙であろう。

信毎web:諏訪市長に金子氏 県内初女性市長 茅野市長選は現新対決